2022年07月04日
2022年、円安が進行しています。テレビのニュースでも円の値動きが大きく取り扱われ、「円安」「円高」といった言葉を頻繁に聞くようになりました。「円安が進むと良くないらしいけれど、具体的にどんなデメリットがあるか分からない」という方もいるでしょう。
為替相場は常に動いていますが、円高・円安ともに、進みすぎると生活に悪影響が出る可能性があります。本記事では、円高・円安の定義やそれぞれのメリット・デメリット、生活に与える影響などを解説します。
円高・円安とはどういうこと?
経済がグローバル化している現在、日本を含む多くの国が「輸出」「輸入」という形で他国と取引しています。円高もしくは円安になると、他国との取引の際に、まず影響が出るのです。
また、株価などほかの経済活動はもちろんのこと、円高や円安が長引けば、私たちの生活にも影響が出ます。現在政府は「貯蓄から投資へ」と呼びかけていますが、投資にも大いに円高・円安は関係しています。
円高とは
円高とは、他国の通貨に対して円が相対的に高い価値を持つ状態です。1円で交換できる他国の通貨単位が大きい状態、といってもよいでしょう。
2011年に起こった東日本大震災の後、記録的な円高となり、1ドル=76円にまでなりました。このときも現在のように、経済ニュースで大きく取り上げられたので、覚えている方もいるでしょう。
円安とは
円安とは、他国の通貨に対して円の相対的な価値が低くなった状態です。1円で交換できる他国の通貨単位が小さい状態ともいえます。2022年6月現在は記録的な円安といわれていますが、為替相場は1ドル=136円です(2022年6月30日現在)。
つまり、2011年は76円出せば1ドルと交換できましたが、2022年6月では、136円出さなければ1ドルと交換できなくなったのです。
円高・円安のメリット・デメリット
円高・円安には、それぞれメリット・デメリットがあります。ここでは、円高・円安それぞれのメリット・デメリットを解説します。
円高が進むと、「円高フェア」などと銘打って輸入食品のセールを開催する店が多いので、円高=メリットが多いというイメージを持っている方もいるでしょう。しかし、円高にもデメリットはあります。
一方で、デメリットが多いイメージのある円安にも、メリットがあります。それぞれのメリット・デメリットをよく把握しておきましょう。
円高のメリット・デメリット
円高になると、より少ない金額で他国からものを買えます。例えば、100ドルのものを購入する際、1ドルが100円ならば1万円が必要です。
しかし、円高で1ドルが70円になったとしたら、7000円で購入できます。そのため、外国から輸入している食品やエネルギーなどの値が下がったようにみえます。「円高セール」などが行われるのは、そのためです。
一方、デメリットは日本から外国へ輸出する商品が相対的に高くなり、売り上げが下がることです。日本の場合は主に自動車関係の企業が影響を受け、株価も下がりがちです。また、外国の株や外貨預金の価値も下がります。
円安のメリット・デメリット
円安になると、円高とは逆の状態が起こります。デメリットは、輸入している食材やエネルギーなどが値上がりすることです。特に、小麦の価格や電気代・ガス代は円安の影響を受けてすぐに値上がりしやすく、家計への負担となります。
メリットは、輸出産業が活発化することです。また、外貨預金や外国の株価も価値が上がります。
円安・円高が暮らしに与える影響
円高が進めば、食材やエネルギーなど私たちの暮らしにかかわる多くのものの値段が下がります。そのため、メリットを感じる方が多いでしょう。しかし、外国株を売買したり外貨預金をしたりしている方はデメリットを感じます。
円安になると、輸入品が高くなって食品やガス代・電気代が値上がりしますが、輸出産業は活発になるでしょう。このように、円高・円安のメリット・デメリットの両方が、暮らしに影響を与えます。したがって、円高・円安のどちらも行きすぎてはよくないのです。
円高・円安の傾向を知っておくのがおすすめ
円高・円安は、一概にどちらが悪いとはいえません。どちらも、日本経済に良い影響も悪い影響も与えます。
まずは、今が円高・円安どちらの傾向にあるか把握しておきましょう。特に、投資をする方にとって、為替相場は重要です。
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